2025年夏場所。
遠藤は毎日のように放送の中で「ベテラン」と言われていて、遠藤がベテランと呼ばれることにあまり心地よさを感じない私(その理由についてはこちらの記事参照)としては「あ~また遠藤をベテランと言ってる~」と内心ちょっとブー垂れていたのですが、18日の放送で表示された「幕内年長力士」の一覧には「えっ」と思ってしまいました。↓
↑今場所、幕内で34歳以上の力士は六名。その中の一名に遠藤が入るんですね。
これを見ると、確かに年長とは言えるのかもしれない。でもやっぱりあまりそうは思いたくない自分もいたりして、複雑……。
痛そうな遠藤
しかし遠藤は、今年に入ってからだと思うのですが、取り組みで土俵下に落ちた場合、立ち上がるのに時間がかかるようになりました。
勝っても、負けても、どこか怪我してしまったのかと心配になるくらい、なかなか起き上がれない。
相撲を取るだけで体(膝?)がだいぶ痛むのかなと気になっていました。
遠藤の関取訪問
そんな中、なんと!! 力士にロングインタビューをする「関取訪問」というコーナーで遠藤が取り上げられるというではありませんか!
近年では滅多に聞けない遠藤の心境を知るチャンス!!
と、張り切って視聴してみました(動画はNHK大相撲中継のサイト内で公開されています)。
何年も「無理」と感じている
↑するとそこには、柔和な笑みをたたえた遠藤が……。遠藤ーーー!!(泣)
アナウンサーの「これまでの中で「ああもう無理だな」って思った時期もあったんですか? 」という問いに
まあ、無理だなというか、何年もそんな感じですね。はい。
と遠藤。
……もう無理だなって、何年も感じているんですね。
稽古の数をこなせない
稽古の、丁寧な準備運動に関しては
まあ無駄が無いようにですね 本当にそぎ落としてそぎ落としてっていう感覚になってますから。
数もこなせなくなってからはやっぱり考えるようになりましたね はい。
相撲を取るためだけの最低限の動きしかできないですからね しょうがないっす
とのことで、痛みのため、稽古の数(ぶつかり稽古等?)がこなせなくなっているんですね。
それでもあの筋肉量と強さを維持しているのは、四股等の、入念な基本稽古をしっかりやるおかげなんですね。
遠藤の「欲」
五月場所について、どんな思いでやって どんなことを目指していくかということについては
初日の土俵にこぎつけて最後まで休場せずに行きたいなっていう気持ちはありますよ?
もちろんやっぱ出る以上は勝ち越すといいますか 毎日勝つことを考えて臨みますよ、はい。
まあそのくらいの欲は持ってもいいのかなっていう感じです。
まず初日の土俵に立つこと。そして最後まで休場せずに行きたい、というのが一番に来るというのが、今の遠藤のギリギリさを物語っています(涙)。
毎日勝つことを考えて臨む。そんな、力士として当然とも言える思いを、「そのくらいの欲は持ってもいいのかな」と控えめに語って……。
遠藤の「願い事をなくす」という思い
それを聞いて思い出したのは、遠藤が2019年の七夕、短冊に書いていた「願い事をなくす」という言葉。↓
きっと遠藤は、元々、力士としての欲も願いも色々とあったと思うんですよね。
番付上位に行きたいとか、優勝したいとか、色々……。
私も、生活していて欲や願いを持つことがありますが、そういう思いって、叶わなかったときとか、なかなか叶わないときが苦しいんですよね。
だから、その苦しみから逃れるためには、そもそもそういう願いは強く持たず「一生懸命、やれるだけやる。」しかなくて、もはや結果は、ついてくれば良いけれど、ついてこなくても、それでもいい。という捨て鉢の開き直りが必要で、遠藤もきっと、相当な精神的葛藤・不安・苦しみの中、現役力士として非常に最低限の欲である「今日の一番を勝ちたい」という思いだけを胸に土俵に上がっているんだなと思い、そこに遠藤の、相撲に向き合う真剣さを感じました。
昔のギラつき、今の穏やかさ
映像の中には、遠藤が新十両で優勝したとき(2013年)の、懐かしいザンバラ髪の姿も出てきて、そのときの遠藤の表情は良い意味でギラついており、好戦的な、勢いを感じさせるもので、ああ、こんなときもあったよなと、このときはまだ膝に大怪我を負う前で、あっという間に番付を駆け上がるだろうと、周囲も、ファンも、きっと本人も思っていたよなと、現在の遠藤のすべてを受け入れたような穏やかな表情を見ているとなおさら切なく感じたりもしたのですが、いや、まだ切なく思うのは早いよな??
一番一番、勝つことを考えて臨んでいった先にどんなことが待っているかはわからない。
ファンとしてはとにかく、遠藤が勝つことを期待して応援を続けます。
今日も痛そうだった
そして、夏場所十日目の今日(2025年5月22日)。
遠藤の取組前に遠藤のコメントが紹介されたのですが、
「今日が最後の相撲かもしれない、そういう思いで、一日一日やるべきことをやっている」
ということで、悲壮感が漂います。
↑取組にはとても力強い相撲で勝ったのですが、勝った直後から、びっこをひくような感じで膝が痛そう(泣)。
勝ち名乗りを受けるのにしゃがむのもようやっとという感じ。
痛いのを表情に出すタイプではない遠藤があそこまで顔を歪めるというのはよほどのことなんだろうなと思います。
今日が最後かもしれない。本人がそう思って臨む一番一番を、こちらもそういう真剣さで応援したいと思います。
願わくばせめて40歳まで
……が、いやそれにしたって「今日が最後」とは……そんな日は、あと六年(遠藤が40歳になるまで)は来てほしくない!!
少しでも長く、現役力士・遠藤のファンとして、遠藤に「頑張れーー!!」とテレビの前で応援できる日々が続きますように。
頑張れーー!! 遠藤!!