2021年秋場所二日目。
↑栃ノ心と対戦した遠藤は、立ち合いすぐに右手で前廻しをつかみました。遠藤得意の体勢です!
スムーズに勝利
↑その前廻しをつかんだまま決して離さず、頭を栃ノ心の胸につけてぐいぐい押し……。
↑そのまま寄り切って勝利!
とてもスムーズな勝ち方で、今場所の初白星ということもあって良かったなあと思って見ていました。
解説の鳴戸親方(元・琴欧洲)も「良い相撲ですね」と遠藤の取り組みを絶賛して、ファンとしてもそれを嬉しく聞いていたのですが、その直後、風向きが何やら怪しくなりました。
急にきつくなる鳴戸親方
↑きっかけは、この、勝ったあとに土俵下に立つ遠藤の姿に対するアナウンサーの「今日も膝ですとか足首ですとか白いテーピングなどはありません」という一言。
たっぷりと五秒以上の間を開けて、鳴戸親方がおもむろに答えました。
そりゃ、痛かったらしますよ。痛くないんだったらしないじゃないですか。
OH……鳴戸親方、なんだか言葉にトゲがあるぅ!
皆苦労している
不穏な空気を和らげるように、アナウンサーは「遠藤関は膝が元々古傷で、日によってその状態というのが朝になってみないとわからないというですね、そういう日々を過ごしてはいるんですが」と遠藤の状況を説明。
しかし鳴戸親方は
いや、みんなそうだと思いますよ遠藤だけじゃなくて。
お相撲さんはみんなね、昔から怪我しますんで。口にするかしないか、皆それぞれですけども。
皆それぞれ苦労して土俵に上がっています
と、何か逆鱗にでも触れたかのように手厳しい~~!
ファン心
長年の遠藤ファンとしては、遠藤のことを擁護したくなりました。
遠藤の怪我はね? すっごくひどかったんだよ(遠藤が怪我をした取り組みの記事はこちら)。
半月板損傷、前十字靱帯損傷で全治二ヶ月だよ? それなのに翌場所に出場して、まだ受傷して丸二ヶ月は経っていないときだから絶対痛いはずなのに、そのときもサポーター類を一切つけていなかったんだよ??(以下の画像は、遠藤が大怪我を負った翌場所(2015年5月場所)のもの)↓
↑親方は「痛くなければサポーターはつけないのは当然」というお考えで、だから、遠藤のサポーターなしの姿を見ても「サポーターなし=痛くない」とご判断のようですが、遠藤は、絶対に痛いはずなのになぜかサポーターをつけない不思議な力士なんですよぉぉぉ~~~(泣)。
そりゃあね、力士それぞれ怪我を抱えて苦労していますよね。力士は確かにそういうものだ。だから遠藤だけ特別視するのはおかしいと思う気持ちもわかる。
けれどそこはやっぱりその負った傷の程度のひどさを考慮して、少し温かな眼差しをいただけないものですかねぇぇぇ(泣)。
勝負師の勝利
しかしここまで考えてふと思いました。
遠藤はなぜサポーター類をつけないのか? それは、相手に自分の弱点を知られないためというのもあるはずだ。
隙無しと思わせて相手を攪乱する、そういう勝負師としての意図が遠藤にはあるはずだ。
だったら遠藤は勝ったんだ。
少なくとも鳴戸親方という元・大関に、「遠藤はどこも痛くない」と思わせるのに成功している。
本当は痛いんだろうね……と同情されるより、「サポーター着けてないじゃん。ってことはどこも痛くなくて万全なんだな、
そう思えば、鳴戸親方の、ちょっと冷たくも思える厳しさも、「フフ……親方も騙されちゃいましたね?」と、ちょっと気の毒にすら感じられるようになりました。
頑張れ遠藤
遠藤が勝負師としての気持ちが強い力士であったことを、鳴戸親方のおかげで久々に思い出しました。
素人考えでは、サポーター類を着けた方が力が出やすく怪我もしにくく、勝ちにつながるのかなと思ったりもしたのですが、調べたところサポーターを着けるデメリットとして筋力が弱る、血行が悪くなる(*1)ということもあるようなので、そのへんも考慮した上での遠藤の判断なのでしょう。(参考*1:ココカラクラブ)
とにかくファンとしては、遠藤が一番一番全力で相撲を取れることを祈り、見守るのみ。
今場所は、現時点で4勝2敗といい感じ。
その調子で!! 頑張れ遠藤!!