2016年秋場所。遠藤が左膝に大怪我を負ってからちょうど一年半経った今場所、遠藤の相撲が変わりました。
変化を顕著に感じたのは三日目。↓
(画像出典:2016年9月13日放送 NHK総合1 大相撲9月場所 3日目)
↑立ち合いが、先場所よりも勢いが良いといいますか、先場所までは膝に負担がかからないことを第一優先にしたもう少し「守り」の立ち合いだったのが、「攻め」を感じる強いものになっている。
(画像出典:2016年9月13日放送 NHK総合1 大相撲9月場所 3日目)
↑取り組み内容も、のっしのっしと十分に足腰を使って相手を押すもので、元気が良い。
膝の調子が良いんだろうか??
いやいや、油断はならない……と思いながらも、明らかに先場所までとは違う。舞い踊るような、躍動感のある遠藤本来の相撲が戻ってきている。
そんな手応えを遠藤の相撲から感じていました。
左膝でこらえる
続く四日目の相撲は、悲鳴ものでした。
(画像出典:2016年9月13日放送 NHK総合1 大相撲9月場所 4日目 画像内円は筆者)
↑千代翔馬の首投げをこらえるのに、遠藤は、あの怪我した左膝で四回も土俵上をケンケンしたのです。
遠藤が一回ケンケンするたびに「うわっ」と思い、気が気ではありませんでした。
(画像出典:2016年9月13日放送 NHK総合1 大相撲9月場所 4日目)
↑しかし結局ケンケンでこらえきり、最後は「すくい投げ」で勝利。
ひ、ひ、膝は、膝は大丈夫なの? と心配でしたが、遠藤は特に足を引きずるような素振りも見せず、淡々と勝ち名乗りを受け、土俵を降りていきました。
あ、あれ、今のが大丈夫だったの? あんな、左脚一本にすべての体重がズシッとかかるようなケンケンを四回もして、あんなことをしたら、怪我をしていない私でさえ膝が痛くなりそうなのに、遠藤の左膝はそれを耐え抜いたの?
耐え抜けるくらいの強さが膝に戻ってきたということ?
う~ん、やっぱり油断はならないけれど、だいぶ良い感じに思える!
そして迎えた五日目……。
VS琴勇輝
(画像出典:2016年9月13日放送 NHK総合1 大相撲9月場所 4日目)
↑遠藤は、琴勇輝が肘で押しのけようとするのにもビクともしない、余裕のある相撲で勝利。
この相撲を見て、遠藤の膝が、ようやく本当に回復してきたんだということを実感できました。
私自身、もう永久に治らないんじゃないかと思えるほど長期にわたる体調不良と付き合っていた時期があり、地道に療養に徹していたのですが、その体調不良があるときフッと改善の兆しを見せたとき、とても心が高揚して、嬉しくて、そのときの感覚を遠藤を見て思い出しました。
遠藤自身、長引きすぎる不調に心が乱れることもあったと思います。けれど今、回復の予兆が見え、きっと嬉しいだろうなあ!
良かった、良かったなあ遠藤!!
ファンとしても、この一年半は、とても長かった!!
忍耐、忍耐、でした。
でも、待っていて良かった!
正面解説、遠藤応援者である北の富士さんも嬉しそうにコメント。↓
『やっぱり腰が割れてるからね。こうしてピシッと。だから押されないですね』
『しかしだいぶ復調してきましたねこの一番を見る限りは。非常に膝の開きも外を向いていますしね』
『この相撲は本人も気を良くしていいでしょうね。だいぶ戻ったなと。感覚が。そういう感じは本人も持っていいと思いますよ』
ずっと遠藤のことを気に掛け、心配し続けてくださっている北の富士さんが喜んでいらっしゃるのが伝わってきて、私も嬉しかったです。
遠藤の選んだ道
膝を完治させるために休場しろと、きっと、遠藤は大勢の人に言われたと思います。
それでも遠藤は、自分の意志を通した。
それが、「なるべく長い期間、遠藤の相撲を見たい」と願う私からはとても危うく、恐ろしい道に見えたこともあったけれど、たとえどんなに先が見えない道でも、本人が納得して決めた道が本人にとっては一番正しいのだと遠藤の決断を信じ、見守ってきた結果、やっぱり遠藤のことは遠藤に任せるのが最善だと思いました。
これからも色々とあるとは思いますが、覚悟を決めて、遠藤の相撲人生を見守りたいと思います。
……なんて、なんだか、まるで膝が完治して遠藤ストーリーがハッピーエンドを迎えたような謎の達成感に包まれていますが、いやいや、ようやく回復傾向というだけであって完治まではまだ時間がかかるだろうし、怪我悪化の心配も変わらずつきまといます。
ここは気を引き締め、一番一番、慌てず無理しすぎずに頑張ってほしいです。
それにしても、順調だった頃の遠藤が見せてくれた多彩な相撲が再び見られるようになるかもしれないと思ったら大興奮だぜ!! 思い切り、でも、慎重に、頑張れ遠藤!!