昨日の大相撲中継で、最後に「あすの中入り ご苦労様 立田川親方(元小結 豊真将)」とテロップが出ていたので、今日の放送を楽しみにしていました。↓
(画像出典: 2015年3月16日放送 NHK総合1 大相撲春場所九日目)そして今日。↓
(画像出典: 2015年3月17日放送 NHKBS1 大相撲春場所十日目)↑おおお~っ!! 向正面の解説者として、ビシッとスーツを着込んでマイクの前に座る豊真将(ほうましょう)!!
豊真将の声
先日、警備員として会場内に立つ豊真将を見つけて喜んだものの、カメラが遠いせいか顔が全部ボケボケで、五月場所の国技館ではもっとはっきりと顔が映されるだろうからとそこに期待をかけていたのですが、五月を待たずしてこんなに早くそれが実現され嬉しいです。
冒頭、「親方としての実感」を問われた豊真将はこう答えました。
「本場所に来て力士たちを見ると、まだもうちょっとやりたかったなと少しそういう気持ちもあります」
そして、さらに引退についての心情が語られました。
「最後に皆さんに一番、もう一度土俵に上がりたいという気持ちはあったんですけれども、やっぱり幕下の土俵っていうのは一番一番みんな真剣に闘ってますので、自分が足の方が悪くなったときに土俵に立てないと思ったら、「勝てない」と思って土俵に上がるのは失礼にあたると思いましたので、皆さんには申し訳ないんですけれども、土俵に立てずに引退という風になりました」
つまり、豊真将自身もまだ相撲をやりたかったし、自分を応援してくれたファンのためにも、最後にもう一度土俵に立ちたいという気持ちはあったけれど、どうしたって勝てないとわかりきった状態で土俵に立つのは相手の力士に失礼。
だから、土俵に立たず引退した。ということなんですね。
土俵に上がったとしても、絶対に勝つことはできない。そう悟らざるを得ないほど、豊真将の膝は厳しい状態になってしまっているんだなと思いました。
ファンと同じように、豊真将自身も、完全に割り切れたわけではなく、今でもやはりまだ悔しさは残っている。そう知って、なんとなく慰められました。
所作
そして話は、豊真将のキビキビ美しい所作へ……。↓
(画像出典: 2015年3月17日放送 NHKBS1 大相撲春場所十日目)↑この、直線的ともいえるビシッとした所作について、豊真将は、
「相撲の所作っていうのはアマチュアにはないプロ独特のものだと思います。」
「師匠の錣山(しころやま)親方に、所作をきちんと綺麗にしっかりすると、相手に自分を大きく見せることができるっていう風に言われてですね、それからしっかりやろうと思いました。相手に自分を綺麗に見せるようにと思ってやってました」
と語りました。
阿炎
そして、豊真将といえばこの深々とした礼も有名ですが……。↓
(画像出典: 2015年3月17日放送 NHKBS1 大相撲春場所十日目)この礼を受け継いでいきたいと言っているという、豊真将と同じ錣山部屋の若手ホープ阿炎(あび)が紹介されました。↓
(画像出典: 2015年3月17日放送 NHKBS1 大相撲春場所十日目) (画像出典: 2015年3月17日放送 NHKBS1 大相撲春場所十日目)↑取り組み後、土俵下で礼をする阿炎。
これを見て豊真将は「あいつは自分が引退したときにですね、「関取の礼儀は自分がしっかりと継いでいきます」という風に言ってくれたので」「これからそういうことを意識してやっていってくれるんではないかなと思います」とコメント。↓
(画像出典: 2015年3月17日放送 NHKBS1 大相撲春場所十日目)阿炎のことは、以前「豊真将の力士DNAを受け継ぐ阿炎に期待」でも取り上げましたが、やはり、この阿炎の中に豊真将が生き続けていくんだなと思いました。
引退表明からたったの二ヶ月あまり。自然な流れで引退したというよりは、予期せぬ怪我で道半ばにしての引退という感じだったのでショックも大きかったですが、豊真将が必死に前を向いて歩んでいっているんだから、私もそうしたいです。
でも、「立田川親方」って、豊真将のことを呼ぶ気がまだしません。気が済むまで「豊真将」と呼んでいたい……それくらいは自分に許したいです。