↑先日、NHKBS1で放送された「アスリートの魂」というスポーツ選手のドキュメント番組で栃ノ心が取り上げられたので見ました。
その中で、栃ノ心の力士としての歩みが紹介されたのですが、栃ノ心は、2013年の名古屋場所で右膝前十字靱帯断裂の大怪我を負い、幕下55枚目まで転落したときに引退を考えたそうなのです。
親方の言葉
(画像出典:2018年9月29日放送 NHKBS1 アスリートの魂)しかし、引退を思って弱気になる栃ノ心に、春日野親方がかけた言葉は力強いものでした。
「バカ野郎、何が引退だこの野郎」と。「そんなもん元に戻るんだよ」と。そんなことを言ったような気はしますよね。
だってそんなので辞めるとか辞めないとか、私の中ではまったく無かった。
本人はね、上がりたい上がりたいばっかりが先に立ってね。ケガして落ちたらもう終わりみたいな。
それじゃ相撲なんて夢も希望も無いし。だから、「はいこれからまたやり直そうな」って。
この親方の言葉を聞いて、うわあ、私も栃ノ心と似たようなところがあると思いました。
栃ノ心と自分の共通点
「上がりたい上がりたいばっかりが先に立って、ケガして落ちたらもう終わり」と考える。こういう風な思考回路、私も陥ることがあります。
目標に向かって努力して、それなのに、理想とは違う結果が出たときに「もうダメだ! おしまいだ!!」とすべてを投げ捨ててふて寝したくなる……(笑)。
そうやって癇癪を起こしそうになる自分をいつも鼓舞して、いつもなんとか立ち上がるわけですが、親方からすれば、そんな、ちょっとうまくいかないからって絶望してふて寝するような精神は、「バカ野郎、何が「もうダメだ」だこの野郎」……なんでしょうね(笑)。
やり直そうな。
ちょっと思うようにいかないことがあったら、それですべておしまいで、絶望。それじゃ、人生だって夢も希望もないですよね。
たとえ大転落しても、死んだわけじゃないんだし。生きている限り、新たな努力や挑戦はいくらでもできるんだし。
淡々と、「はい、これからまたやり直そうな」って気持ちで、へこたれず、努力の仕切り直しをしていく。
「上がりたい」と、高い目標(結果)ばかり見つめるんじゃなくて、とにかく、どんな状況になろうとも、目の前の努力を継続する。「過程」に愛情を持つ。
それしかないし、そうすることによってしか、夢も希望も生まれないんでしょうね。
心の中の親方
怪我後、幕下55枚目から奮起して大関にまで駆け上がった、タフな精神の持ち主に見えた栃ノ心ですら、実は一瞬は自暴自棄になりかけていたとわかって、ちょっとホッとしました。
私だけじゃないんだな、と思えて。
そしてそういう精神の危機に重要なのは、心の中の親方ですよね。もう一人の強い自分というか。
私の心にも強い親方がいますが、今後は春日野親方を見習って、もっと厳しく檄を飛ばしていこうかなと思いました(笑)。
心の中の親方と二人三脚で、これからも頑張ろうと思います。