朝乃山の優勝で大歓喜!! の令和元年・大相撲夏場所なわけですが。
今場所、誰が優勝するのかということ以外に、私が気にしていた事柄がありました。
それは、栃ノ心が10勝以上して、大関復帰を果たすか否か?? ということ!!
大関復帰への道
栃ノ心は、先場所、真っ向相撲で奮戦したものの、惜しくも大関から陥落してしまいました。↓
↑しかし、大関から陥落しても、翌場所で10勝以上すれば大関に復帰できるという特例があるんですよね。
追い込まれるとガチガチになって身動きが取れなくなるところに共感して、以来、栃ノ心は私の中で「頑張ってほしい力士」なので、できれば今場所で10勝して、大関に復帰してほしいと思っていました。
簡単ではない
私が大相撲というものを真剣に見始めた2013年から、大関陥落した力士は三人。
琴欧洲、琴奨菊、照ノ富士です。
その誰もが、「翌場所に10勝以上して大関復帰」ということはできませんでした。
ですから、それが簡単なことではないというのはわかっていて、栃ノ心に対しても、「実現してほしいけれど、そううまくはいってくれなかったりするかな……」と、期待とともに、それが叶わなかったときの覚悟も心の中で決めているような、そんな感じで見守っていました。
後半で失速
しかし!! そんなこちらの弱気を跳ね返すように、栃ノ心はとても元気が良かった!!
序盤・中盤で、あっという間に9勝を積み上げました。
うわーっ、すごい。あと一勝で大関復帰。これはいけそうだ。良かった良かった……。
なんて安心していたら、その後、その「あと一勝」がなかなか出ない。
そして「9勝」のまま14日目。横綱・鶴竜戦。
ここで勝たないと、後がなくなって気持ち的に苦しくなる。
一体どうなるか……と思って見ていました。
気迫は十分
(画像出典:2019年5月25日放送 NHK総合1 大相撲夏場所十四日目)↑そしたら栃ノ心……。これ以上ないくらいものすごく怖い形相で、気迫は十分です……!
これだけ気合いが漲(みなぎ)っていれば、きっと大丈夫だ!
立ち合い変化
と、手に汗握って見ていたら、立ち合い……。↓
(画像出典:2019年5月25日放送 NHK総合1 大相撲夏場所十四日目 画像内文字は筆者)↑あ゛っ??
なんと栃ノ心は、鶴竜相手に立ち合い変化をかまして、勝利をつかんだのでした。
な、な、な、なんでそういう相撲を取るんだよぉ~~~。
先場所まで、「苦しくても真っ向相撲」だったのが格好良かった栃ノ心なのに~。
仕方ない
でも、立ち合い変化してしまった栃ノ心の気持ちもわかる気がしました。
9勝を挙げてから、なかなか出ない「一勝」。
平幕相手に二連敗した上に、昨日(13日目)喫した、軍配差し違えによる敗北。
朝乃山との一戦で、行司軍配は栃ノ心の勝ちとしたものの、物言いがついて、「栃ノ心の踵が先に出ていた」との判断により栃ノ心が負けた。
これに、
勝ったと思ってました(引用:日刊スポーツ)
と語っていたという栃ノ心。
取り組み後の支度部屋で
涙が徐々にあふれ出し、手ぬぐいで何度も顔をぬぐった。鼻もすすり上げた。(引用:日刊スポーツ)
と、だいぶ感情が乱れたようで、ここまで来ると、焦りで、「とにかく勝たなくてはいけない」と、相撲内容に構っていられなくなるのも仕方ないのかなと思いました。
怪我もあった
また、これは、栃ノ心が大関復帰を決めてからニュースで知ったことなのですが、栃ノ心、右膝を八日目に負傷していたとのことなのです。
飲み薬と座薬を服用し、腫れた患部から水を抜き。(参考:日刊スポーツ)
心身ともに追い詰められ、苦手な鶴竜相手にどうしても勝ちたいとなったときに、苦肉の策で立ち合い変化を選んだということらしい。
本人も
悪いことしたね(参考:日刊スポーツ)
と、変化したことを良いこととは思っていないようなので、そこは安心しました。
大関復帰!!
でもとにかく!! 栃ノ心が大関復帰という高い壁を乗り越えたのはすごいし、良かった!!
「大関陥落翌場所での大関返り咲き」は史上五人目ということで、それはすごいことですよね。(参考:日刊スポーツ)
まだ膝の怪我が痛むとは思いますが、なんとか快方に向かえば良いなと思います。
そしてまた、力強い、栃ノ心本来の良い相撲が見られるようになることを祈っています!
(千秋楽追記:千秋楽の一番、栃ノ心は、立ち合い変化せず、堂々と相手に立ち向かっていっていました。勝てませんでしたが、見ていて気持ちが良かったです。)